科研費交付実施

日本文科省・学術振興会 科学研究費補助金 研究助成金

【研究代表者 黄 暁芬】

科研費補助金 R3~R7(2021-2025)年度・基盤研究A(一般)

「南縁・東縁地域における郡県都市の変容からみた“漢帝国の遺産”の東アジア史的意義」 課題番号 21H04367

【研究概要】 漢帝国の滅亡後も継続・拡大したベトナム北部・嶺南における郡県都市の歴史的存在に着 目し、中国の分裂時代に、変容しながらも都市機能など「漢帝国の遺産」を継承した周縁 地域の郡県都市の実態と地域において果たした社会的役割を、考古学・文献史学の両側面 から探究することが本研究の目的である。本研究は、考古学的に捉えやすい都市要素・交易・交通網・墳墓・祭祀儀礼に関わる設備や出土品について、漢から魏晋南北朝期にかけて周縁都市遺跡の実態と変化を文理協働の実地調査と発掘によって検証・分析する。資 料蓄積と研究が進んでいる東縁の楽浪・帯方郡の推移と朝鮮半島~倭の地域社会との関係 性・展開過程とを比較しながら、①南縁地域の各郡県都市の変容過程と相互の関係性、②中国本土の郡県都市ほか他地域との交流・関係性の変化、③周辺の地域社会への影響関係 について検証し、漢がもたらした文明装置の継承・改変、その影響と地域社会の相互作用 という視点から、東アジア世界の変動期における郡県都市を中心とした周縁地域の多様な 歴史的変遷とその意義を実証的に解明する。

科研費補助金 H25~H28(2013-2016)年度・基盤研究A(一般) 

「東アジア文化圏の形成に果たした漢代郡県都市に関する学際的研究」

【研究概要】 本研究の課題調査、ベトナム交趾郡古城の発掘調査を通して、古代東アジアには、多様な文化交流・社会構造の変化があり、その相互作用のなかで基層文化が形作られた可能性がある。また、最新の考古学資料が示す古代東アジア世界は、中国文化が周辺の在地文化を塗り替えたとする定説と必ずしも整合しないという実態をつかんだ。東アジア文化圏の形成過程に、旧来の中国文化を中軸とする史観にとどまらない研究が求められると痛感した。その過程で、本応募課題は、地域文化の脈絡を重視する文明研究が軸に据え、中国文明を受け入れた側(日本・朝鮮・ベトナム)に焦点をおき、地域文化の変容という視点で古代東アジア文化圏の形成過程を捉えなおし、文明史を再構築することを目指す。

科研費補助金 H20~H23 (2008-2011) 年度・基盤研究B(海外学術)

「先端技術を用いた中国内蒙古・新疆北部における漢魏都城・陵墓の総合的研究」   

【研究概要】GPS・GISを用いた漢魏都城・陵墓および華北の郡県城址一部の実地調査を行い、古代中都市建設の方位・空間配置の情報を正確に解析することができ、その文化史的意義を指摘した。秦漢帝国の南北幹道-直道の調査と発掘を実施し、遺跡・遺物や出土人骨の分析結果より、東洋最古のハイウエーの構造、使用年代や性格について初めて指摘した。これは本申請の学術的背景の一つとなしている。

科研費補助金 H14~H16(2002-2004)年度 基盤研究C

「古代東アジアにおける墓制の比較研究」

【研究概要】中国漢魏陵墓を中心に実地調査し、その陵墓構造と建設方位の特徴を明らかにした。そして、日本列島、朝鮮半島の巨大墳墓との比較研究を行った。

分担研究者 黄 暁芬

科研費補助金H29~R2(2017-2020)年度基盤研究B(一般)

「図像資料分析による漢代神仙思想の歴史的展開の研究」(研究代表者 森下章司 大手前大学)

科研費補助金H27~H30(2015-2018)年度基盤研究A(一般)

「日本古墳研究リソースを活かした墳丘墓築造と社会関係の国際研究展開」(研究代表者 福永伸哉 大阪大学)

分担研究:中国戦国・秦漢陵墓、南北朝時代の墳墓を中心に実地踏査とGPS測定データの解析を行い、古代東アジアにおける大型墳墓の比較研究を行った。

科研費補助金H27~H30(2015-2018)年度基盤研究B(海外)

「多衛星データの複合的活用による遺跡探査技術とその応用に関する研究」(研究代表者 恵多谷雅弘 東海大学)

科研費補助金H24H27(2012-2015)年度基盤研究B

「五斗米道の成立・展開・信仰内容の考古学的研究」(研究代表者 森下章司 大手前大学)

科研費補助金H23-H27(2011-2015)年度・基盤研究B(海外)

「先端技術を用いた中央アジアのシルクロード・シルクロード都市の総合的調査研究」(研究代表者 宇野隆夫 国際日本文化研究センター)

科研費補助金H19~22(2007-2010)年度・基盤研究A(一般) 

「GISを用いた東アジア都市・王城遺跡形成史の比較研究」(研究代表者:山中章、三重大学)

 分担研究:東アジア文化の比較視点を用いて中国漢・唐代長安城、明清王朝の北京故宮の現地踏査やGPS測量を行った。高解像度衛星写真を用いて、都市の立地や諸機能の配置について、日中の都城制の比較研究を行った。

科研費補助金H17~20(2005-2008)年度・基盤研究B(海外)

「中国陜西省における先端技術を用いた漢代陵墓と都城の総合的調査研究」(研究代表者 宇野隆夫 国際日本文化研究センター)

分担研究:高精度GPSを使用して、アジア都市文明の源流をなした中国漢王朝の首都長安・皇帝陵の調査測量を実施してGIS上で空間分析をおこなった。漢の帝都長安のプランを明らかにし、漢代都城制の特質と建設理念を指摘した。